大阪高等裁判所 昭和43年(ラ)220号 決定 1968年8月06日
主文
本件抗告を却下する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
本件抗告の趣旨および理由は別紙に記載のとおりである。
しかしながら、家事審判法二三条の規定する審判に対しては、当事者以外の利害関係人から二週間以内に異議の申立ができ、異議の申立があれば審判は当然にその効力を失い、右期間内に異議の申立がないときは、審判は確定判決と同一の効力を有するに至るのであつて(家事審判法二五条、家事審判規則一三九条)、該審判に対して上記異議のほか当事者からする即時抗告が認められないものであることは、この審判が家事調停手続における当事者の合意に基いてなされるものである特殊の性格や家事審判法および同規則の規定の趣旨に照して明かなところである。
抗告人は、かかる審判であつても、それが家事審判法二三条所定の「当事者間の合意」を欠く違法のものであるときは、当事者は同法一四条により即時抗告をなし得ると主張するが、同条は一般の家事審判事件における審判に対する即時抗告の規定であつて、本件の如き調停手続における審判にはその適用がないものであるから、右主張は採用できない(なお一件記録によるも、本件審判がその前提たる「当事者間の合意」を欠くものであるとの点は全く認められない)。
右の次第であるから、本件抗告を不適法として却下し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。